中国商務部の沈丹陽・報道官は17日に行われた定例記者会見で、中国の貿易の先行きについて楽観的な見通しを示した。
1~2月の中国の貿易額が大幅に低下したことを受け、今年の貿易情勢に対し、悲観的な見方が浮上。これについて沈報道官は、統計データの落ち込みは国際市場の需要が依然として弱含んでいることを反映していると指摘したうえ、「有利な条件も多くそろっており、貿易目標の達成には自信がある」と述べた。
国際情勢をみると、国際通貨基金(IMF)、世界銀行はそろって16年の世界経済成長率見通しをここ6年でもっとも低い水準まで引き下げている。商品相場や原材料価格も下げ止まらず、低位で推移している。一部の地域で地政学的リスクが高まり、貿易保護主義が台頭し、貿易摩擦も増えている。
国内では、企業コストの上昇、貿易面で持つ従来の優位性の弱まり、固定資産投資の鈍化、輸入需要の低下が続いている。特に一部産業や受注は流出が加速。加工貿易の輸出は12カ月連続で縮小し、国際金融危機の時よりも状況が悪化している。短期的に貿易が直面している困難な状況は続くとみられる。
沈報道官は会見で、「中国の貿易発展を支えるファンダメンタルに変わりはない」と強調。さらに、「焦点を絞った一連の対策が打ち出されている、または近く打ち出される」と述べた。具体的には、◇輸出入に関わる費用徴収制度の見直しと費用徴収項目の明確化、◇貿易手続きの利便性の向上、◇輸出税還付制度の合理化と税還付の徹底、◇輸出の信用保証や企業資金調達への支援の強化、短期輸出信用保険の規模の拡大、◇クロスボーダー電子商取引など商業モデルのイノベーションへの奨励、貿易面での新たな優位性の創出--が挙げられた。
その上、沈報道官は、「16年の貿易情勢は依然として複雑な要素が絡み合い、困難な状況に直面している。ただ、貿易の発展をけん引する新たな力も形成されつつある。3月以降は好転に向かい、成長鈍化幅は次第に縮小する」と予想している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年3月18日