アジア諸国は昨年の輸出の下振れと短期的な市場変動について、一部の西側メディアから中国の経済成長鈍化の波紋だと揶揄された。しかし世界銀行の評価では、中国の経済成長鈍化による韓国、マレーシア、シンガポールなどへの影響は、G7の成長鈍化の影響の2分の1にも満たない。中国はASEANにとって7年連続で最大の貿易相手国となっているが、最終製品輸出という観点から見ると、ASEANの主要市場は米国と欧州だ。先進国の成長鈍化こそが、アジア諸国にとって外需低迷の主因となっている。アジア諸国の金融市場と先進国との結びつきは強く、域内の金融一体化は進んでいない。中国の金融市場の動向がアジア市場に与える実質的な影響は限定的で、誇張すべきではない。
先進国の成長減速、世界の貿易成長の大幅鈍化を背景に、アジアの経済成長は構造調整とモデル転換、新旧エネルギーが入れ替わる苦しい時期に差し掛かっているが、その原動力は衰えず、明るい見通しが続く状況に変わりはない。中国は「第13次5カ年計画(十三五、2016-2020年)」計画実施に向け、一段と高いレベルの開放型経済発展に注力する。アジア諸国の産業の相互補完的な優位性発揮と連携融合発展の実現に向け、より大きな成長余地を提供する。今年のボアオ・アジア・フォーラム年次総会のテーマである「アジアの新しい未来:新しい活力と新しいビジョン」が示すように、アジア諸国が強い信頼感を持って緊密な協力を進めれば、経済成長に新たな活力を注入し、繁栄と発展への新たなビジョンを描くことができる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年3月22日