CNNによると、中国の経済成長鈍化に関する最大の懸念は、鈍化そのものではなく、安定的な新たな成長モデルと原動力の模索にあるようだ。CNNは「多くの企業経営者は、引き続き非常に積極的な姿勢を維持している」と指摘。問題は、「一時的に方向感を見失うことへの懸念が高まること」だとしている。
これは英フィナンシャルタイムズの観点とも一致する。中国国家統計局の最新統計によると、2016年1-2月の一定規模以上工業企業の利益総額(税引き前利益)は、前年同期比で4.8%増加した。7カ月連続の減少に歯止めがかかったうえ、2014年7月以来の伸びとなった。これについて、「これまでの刺激措置が中国製造業の減速緩和につながっていることを示している」と報じた。
しかし、その背後には構造的な問題も隠れているという。「中国の工業企業の収益力は両極化が鮮明になっている」。フィナンシャルタイムズは、業績不振が深刻な産業では、すでに雇用が大幅に悪化していると指摘。しかし、投資水準が高止まりしているため、ハイペースな生産能力拡張が続けば、今後は収益を圧迫する可能性があるとしている。