現在、中国で最大規模を誇るファンド「天弘余額宝貨幣基金」(天弘余額宝)の動向に注目が集まっている。同ファンドを運用する天弘基金はこのほど、2015年の運用報告書を発表。天弘余額宝の収益などが明らかになった。
中国金融情報会社『同花順』のデータによると、天弘余額宝は中国のファンド収益トップの座を保った。収益トップ5に入る広発聚豊混合、中郵核心成長混合、易方達瑞恵霊活配置混合、匯添富均衡増長混合は、2015年の純収益がいずれも70億元を超えたものの、100億元には届かなかった。
天弘余額宝の純収益は231億3100万元で、前年に比べ8億7300万元(3.64%)減少した。収益率は2015年10月に初めて3%を下回り人々を驚かせたが、2015年通年では3.67%と、前年の4.82%に比べ1ポイントを超える低下となった。
天弘余額宝は、2013年の設立当初に年換算収益率が4%を超えた。その後も一時、7日間平均年換算収益率が6%を上回る6.76%の最高記録を達成。高い収益率がファンド規模の急拡大をもたらし、資料によると、2013年第3四半期の資産増加率は1000%超に達した。