中国宇宙産業について述べる石述思氏
メディアが中国工業情報化部(工信部)の話として伝えたところによると、中国で複数の宇宙産業重点プロジェクトが年内に正式に開始される見通しだ。特に、打ち上げロケット、実用衛星、宇宙ブロードバンドインターネットの3大プロジェクトに重点が置かれる。専門家は、3大プロジェクトが宇宙工業の将来的な発展のトレンド・中心になると予想し、2020年に実用衛星の生産高が5000億元に上り、「第13次5カ年計画(十三五、2016-2020年)」の期末には宇宙工業の生産高が8000億元から1兆元の水準に拡大するとの見方を示した。
これについて『中国経済網』の解説者を務める石述思氏は、『我財経』の番組内で、「技術の発展と生活水準の向上に伴い、一般人が宇宙空間の開拓、つまり宇宙産業に高く注目、関与すれば巨大な市場が生まれ、現在は工業分野に偏る応用が、個人消費にも広がるはずだ。映画の『火星救援(オデッセイ)』で米国が最後に助けを求めるのが中国となっていることから、中国はここ数年にわたり、宇宙工業の応用を含む科学技術イノベーションにおいて世界トップの水準を誇ることが証明された。今後は、世界の大きなパイを分け合う中で、シェアを徐々に拡大するだろう」と述べている。
石述思氏は、中国経済が減速して産業の構造調整や高度化の圧力が非常に大きいなか、宇宙セクターが非常に重要な役を演じ、将来的に中国経済が回復するための重要なエンジンになるとの見方を示した。宇宙工業には全てのハイテク技術が集積しており、経済の第1エンジンも科学技術で、豊富な成果を上げた宇宙技術は、さらに民用化が進めば、消費者や多くの分野に恩恵をもたらす基点に変わると指摘。産業構造・製品の高度化が一般人の生活の改善と質の向上につながるなか、宇宙工業もさらに重要な役割を担う新興市場と呼べると話した。李克強総理と高虎城商務部長の話を引用し、「中産階級の消費や供給側の改革、宇宙科学技術の民用化が生み出す産業や連携に対し、非常に重要な役割を担うことになる」としている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年4月5日