中国越境EC(電子商取引)による輸入小口貨物を対象とした新課税政策と荷物・郵便物輸入税調整が4月8日から正式に施行されることとなった。上海では新政策の施行前の駆け込みラッシュが見られ、ネット通販で購入された欧米の商品が山積みとなっていた。中国新聞社が伝えた。
中国南方航空貨物輸送部が6日に発表した統計によると、過去1週間に輸入小口貨物計600余トンが同航空会社貨物機に乗って上海に到着した。粉ミルクに紙おむつ、食品などの生活用品であった。
この上海の貨物便を例に挙げると、1日計4便の南方航空貨物便が欧米から上海に到着し、このうち、ネット通販による海外商品が2割から3割を占め、上海現地以外に大量の貨物がトラックで杭州、寧波、南京といった都市へ運ばれ、さらに航空便で鄭州といった内陸部にも輸送される。その量は重さにして20トン以上に達するという。
新政策登場、楽しい「海外購入」は続けられるのか
新政策を見てみると、中でも業界を最も驚かせたのは、これまで荷物・郵便物輸入税制度に基づき徴収されていた税額50元(1元は約16.8円)以下は徴収免除という制度が取り消され、1回の取引額2000元、個人の年度取引額2万元という制限が設けられたことだ。
これまで海外購入が人気を集めていた理由について、越境ECプラットフォームの商品は、税金を納めても実店舗より安かった点にあるという分析がある。越境EC商品に対しては荷物・郵便物輸入税が適用され、税率は同類の輸入貨物の総合税率より一般的に低価格であったためだ。今回施行される新政策では、商品によってその影響が大きくなり、中でもベビー商品、食品、保健食品、日用品といったかつて徴収免除であった商品は必然的に課税対象となり、化粧品の税率上昇幅は最も大きくなる。