ただ、取材に対し、厳しい現状に変わりないとして、冷静に受け止めている家電メーカーが多く見受けられた。事実、税関の統計によると、2015年の中国の家電製品の輸出額は前年比3.2%減の626億3000万米ドルと、2008年の金融危機以来の減少となった。出展企業によると、世界的な需要低迷が主因だが、中でもこの数年、中国の家電製品輸出を支えてきた新興国のうち資源国の需要不振が鮮明になったのが大きな理由だとしている。
足元で世界貿易が低迷するなか、中国の家電業界内部も二極化が進んでいる。製品機能が安定し、価格がやや高いという点に需要弾力性が伴わないことと、大型家電輸出拡大の原動力が年々不足してきていることで、業界全体で特定ブランドの市場集中度の上昇が続いている。中国機械電気製品輸出入商会の関係者は、大型家電製品輸出の利益率はわずか3%程度にとどまっており、業界内部では統合を加速することで厳しい現状に対応しようとしていると指摘する。