大志を抱く若者が集合
マカオ生まれで今年31歳の欧嘉昌さんは清華大学の修士課程の学生である。理工学科を専攻する欧さんは前から起業に意欲を持っていた。起業バレーが入居者の募集を始めた後、欧さんは、飲食分野のO2Oプラットフォーム「開店猫」プロジェクトで入居を申請し、最初の入居者の一人となった。
欧さんのようなケースはまれではない。起業バレーはすでに、起業を志す多くのマカオの若者を引き付けている。
マカオ科学技術大学の研究者を主体とした「安信通」プロジェクトは、ユーザーパスワードの管理を主要業務とする。研究者らの開発したサインインシステムは、会議や展示会、チケットなどの多くの分野で幅広く応用されている。「安信通」はすでに、エンゼルラウンドとAラウンドの融資の段階をすでに完了している。このほか「全衆社区智能管家」(コミュニティ管理)「天茂クロスボーダーインターネット金融」「恵博ネットワーク科技」の各事業も1千万元級の融資を獲得している。プロジェクト融資の総額は1億元近くに及んでいる。
今年3月、起業バレーにまた、審査を通過した新たなプロジェクトが入居した。これまで2度にわたって入居した起業チームとは異なり、今回は、起業コンセプトだけを持つスタートアップ段階のチームのほか、成熟した技術とほぼ形を整えた産品を持つハイテク・戦略的新興産業プロジェクトも誘致された。マカオ万国控股集団によるロボット事業も今回入居したプロジェクトの一つだ。空港や税関、科学技術館、銀行、レストランなどに幅広く応用し、様々な任務を担うことができるこのロボットは、蘭州銀行や上海中国電信営業庁、上海科学館などにすでに販売されている。
「マカオの若者が現地で起業する際の最大の困難は土地と人才だ」。マカオ中華総商会青年委員会の莫志偉主任によると、土地空間の不足は、若者の起業場所の使用コストの高さにつながっている。またマカオは人口総量が小さいため、人才の蓄えも不足している。インターネットやクロスボーダー電子商取引などの新興産業の発展にあたっては、人才不足の問題に直面している。「起業バレーはちょうど、マカオの若者によるこの二つの問題の解決を助けるものとなっている」と莫志偉氏は語る。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年4月22日