東芝、富士通と、ソニーから独立したVAIO(バイオ)のPC事業を統合する構想が白紙に戻った。3社の日本国内シェアは合わせて30%を超え、統合により海外での競争力が高まる見込みだったが、統合後の成長戦略に大きな隔たりがあった。
「最終的に話はまとまらなかった」と交渉を担当したある関係者は肩を落とす。昨年12月に統合の交渉が開始され、当初構想では今年4月にも合意する予定だったが、思い通りにはいかなかった。関係者は、「仕方がない。やり直しだ」と話している。
「見通しは楽観できないが、結論を急ぐ必要はない」。4月に入っても進展のない交渉について、東芝の幹部はこう答えた。再編計画の一環として東芝は、3月までに医療機器子会社と白物家電事業の売却を決めた。事業削減により資金を得たことで、財務面のリスクは緩和した。