米国の利上げによる資本流出の圧力を受ける一方で、大量の国内資本が「海外進出」している。対中投資の魅力は薄れているのだろうか?「外資の集中撤退」は起きているのだろうか?国家外為管理局が21日に発表したデータによると、中国のクロスボーダー資本情勢は、第1四半期に大きく好転した。専門家は、これはドル安などの外的要因のみならず、国際市場における対中投資の魅力を反映していると指摘した。
クロスボーダー資本情勢、第1四半期に好転
国家外為管理局の統計データによると、市場の観測を示す中国銀行業代理為替決済の売り越しが、1−3月に減少を続けた。1月は694億ドル、2月は350億ドル、3月は336億ドル。外貨準備高の状況も好転しており、1月は995億ドル減、2月は286億ドル減だったが、3月は103億ドル増に転じた。
国家外為管理局の王春英報道官は、「これは資金流出量が大幅に減少したことを意味する。中国のグロスボーダー資金流動の全体的な情勢は、今後も基本的に安定を維持する。中国の経済成長は依然として将来性が高い。第13次五カ年計画綱要は、今後5年間の年平均成長率を6.5%以上にするとした。これは世界的に見ると依然として高い水準であり、外資、特に長期資本の持続的な流入を促す」と述べた。
今年以来、世界経済の成長の原動力は依然として乏しく、不確定・不安定要素が増えている。国際金融市場に大きな変動が生じており、中国年初、資本流出の大きな圧力を受けた。しかし国内経済の堅調な発展に伴い、一部の主要指標に積極的な変化が生じている。人民元レートが基本的に安定し、ファンダメンタルズの改善と市場の落ち着きが加わり、国際資本の流れも正常化しつつある。
招商証券上席マクロアナリストの謝亜軒氏は、「オフショア人民元レートは3月、オンショア以上の高騰を示した。またオフショア人民元預金が612億元増加し、国外の人民元レートの観測が国内よりも安定していることが分かる」と指摘した。