空港、駅、島・・・ここ数年、中国人投資家はヨーロッパで大型の資産購入を続けてきた。そして現在、新たなアイテムが加わった。一見重要には思えないものの、長期にわたり戦略的意義を持つもの―インターネット―である。
世界的なドメイン仲介企業Sedoによると、2013年から2015年まで、中国人投資家による新規ドメインの取得増加率は400%以上に上った。新規取得数の世界シェアでみると中国が54%と過半数を上回り、2位のアメリカ(10.8%)や3位のドイツ(3.1%)を大きく引き離している。
「こうした傾向は世界各地の企業にこの先大きな影響を与えるだろう」。Sedoのマティア・マイヤー副会長はこう指摘する。「ドメインは不動産と同じである。中国はコンピュータ上の土地を大量に購入している。しかも一等地ばかりである」。
中国の企業(インターネット企業)がドメインを大量購入するのは、世界的影響力を追求しているためである。これらの企業が軸足を欧州に置いていることは、もはや秘密事項ではない。
取得しているドメインには、“.club”、“.House”、“.XYZ”といった新しいものばかりでなく、“.com”や“.NET”などの高価格なドメインもある。今後はドイツのインターネットユーザーが、ドメイン取得の際に中国企業の同意が必要になることも考えられる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年5月2日