米国にある万向集団傘下企業A123敷地の一角
技術と管理の経験が米国の強み。一方の中国では、労働力コストの優位性が徐々に低下しているが、市場の優位性が目立つ。万向集団と米A123システムズの提携は、中米経済の相互補完性を適切に応用したケースとなる。
A123はかつて米国で、クリーンエネルギー、技術集約型の新工業製造モデル企業として、大規模な政府支援を受けていた。しかし、リチウムイオン電池の研究開発と生産を手がける同社は2012年、資金繰りに行き詰まり経営破綻した。
浙江省を本拠とする万向集団は2013年1月にA123を買収。わずか1年余りで経営を立て直し、すでに解雇されていた従業員を呼び戻した上、新たに雇用を増やした。現在、製品供給が需要に追い付かず、受注残は生産量の2倍を超えている。