人民元のSDR入りについて、IMFのラガルド専務理事は「中国経済を世界の金融システムに統合していく上での重要な一里塚である」、米コーネル大学のプラサード教授は「国際貿易、融資、世界経済全体において中国の役割がますます向上していることを反映する」とコメント。海外メディアも人民元のSDR入りに高い関心を示している。『ウォール・ストリート・ジャーナル』は「中国が世界の経済強国に成長する過程における一里塚」、ブルームバーグ社は「世界経済にとっても重要な一里塚である」と伝えた。
さらに、人民元のSDR入りは中国の経済発展において現実的な意義を持つ。新常態(ニューノーマル)時代を迎えた中国経済に新たな成長力を降り注ぐ。市場の主体である企業にとって、国際貿易決済で選択肢が広がる。商品の輸出入やクロスボーダー取引で人民元を建値通貨、決済通貨にすることで、為替リスクと為替コストを減らし、国際市場の開拓にプラスに働く。対外投資においては、中国の投資規模の拡大や「一帯一路」(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)構想の推進にともない、企業は手持ちの人民元で投資することが可能となる。新たな投融資ルートを切り開き、通貨の「壁」を取り除く。一般的な国民にとって、人民元グローバル化の加速で旅行、買い物、留学など海外消費の利便性が一層高まるほか、世界を視野に入れた資産運用も実現する。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年5月12日