欧州議会は12日、拘束力を持たない決議を採択し、中国を「市場経済国」に認定することに反対した。
同決議によると、EUの一部の企業と労働組合は、EUが中国を市場経済国に認定することで大量の中国製品がEU市場に流入し、現地企業の経営を脅かし、雇用に影響をおよぼすことを懸念している。
同決議は、EUの市場経済国に関する5大基準を満たす前、中国の対EU輸出は「非標準的」とされることを強調した。つまり中国製品の反ダンピング・反補助金調査を実施する際に、中国製品のコストと価格が市場価格であるか否かを評価することになる。
中国が加盟した世界貿易機関(WTO)議定書第15条の規定によると、反ダンピング・反補助金の調査でダンピング・マージンを確定する際に、中国の実際のコストを根拠とする必要はなく、第三者の市場経済国もしくは輸入国の同類製品の価格を根拠とする「類似国(Analogue Country)」というやり方を選択できる。同条項の適用期限は15年で、2016年12月11日に失効する。
同条項の失効後、中国の市場経済国としての地位を認めるかについて、欧州議会内では意見が分かれている。欧州議会は年初に発表した報告書の中で、さまざまな可能性を取り上げていた。これには「類似国」が失効するか否かに関わらず、中国を市場経済国として認めないという主張が含まれる。
しかし欧州議会は、EUがWTOの関連法に違反することはないと強調した。そのため欧州議会は欧州委員会やその他の主要貿易パートナーに対して、中国の市場経済国に関するWTOの規定を解釈する共同のプランを制定するよう求めている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年5月14日