イギリス貿易投資総省と英中貿易協会はこのほど共同でリポートを発表し、英国内企業向けに「中国製造2025」計画について紹介した。これにより、両国間の経済・貿易分野における協力関係に新たな商機をもたらされることが期待される。
「中国製造2025」とは、「製造強国」をめざして中国政府が策定した製造業発展のロードマップを示す10カ年計画を指す。
英貿易投資総省の関係者は、中国は英国にとって第2位の輸出相手国であり、製造業の中国向け輸出額は年155億英ポンドに上るなど、輸出先市場としての中国の重要性は非常に高いと指摘。将来的に中国が製品自体の持つ価値と品質の向上をより重視するようになれば、両国間の経済・貿易分野の協力により多くの商機がもたらされるようになるとして、期待感を示した。
リポートは、「中国製造2025」計画は中国自身の技術的独立性の向上をうたっているが、一方で英国企業の中国市場への参入や自らの強みの発揮、中国企業との連携などを通じた共同発展に好機をもたらす可能性があると指摘。英製造業はサプライチェーンの高度化やローコストオペレーションをめざした生産拠点の移転といった点をはじめ、様々な分野に独自の強みを持っており、産業イノベーションやモノ作りの標準化、経営効率や生産効率の向上などを進める上で、中国企業と協力する余地が大きいとした。