国務院発展研究センターの元副主任で、「十三五」計画専門家委員会の劉世錦・委員は、中国経済が「断崖」式に急下降する可能性をきっぱり否定した。底入れ後の中国経済は「L字型」のトレンドで横ばいすると予想。長期的に横ばいで推移するなか、いくつかの「W字型」の波を呈するとの見方を示した。
中国の経済成長はここ数年、緩やかに減速した。直近で最後に2ケタの高成長を達成したのは2010年。11年の成長率は9%に低下し、12年からは7%台、15年第3四半期以降は7%以下で推移。6年間で経済成長率は3~4ポイント低下した。
劉委員は、「6年間を経て、中国経済は高成長から中・高速度の成長へシフトし、今後は中速度の成長にある可能性がある。足元ではすでに底入れが近い。中国経済には依然として大きな潜在力があるため、下落の余地は限られている。L字型で経済先行きのカギを握るのは新たな横ばい圏だ。“L"の横棒は一定期間続くものの、中国経済が“底なし下落”、“断崖式下落”の状況に陥ることはない」と指摘した。