こうした措置を打ち出した主な狙いは、企業向けに良好な金融政策環境を創出し、貸出の規模を拡大し、生産設備や向上などの固定資産への投資を増やし、企業の経営範囲を一層拡大し、より多くの利益を達成することにあった。
だが実際には、15年第4四半期(10-12月)に日本の大手企業の投資は限りなくゼロ成長に近づいた。それだけでなく、同期の大企業の短期貸出は同2.5%減少し、長期貸出はわずか同3.6%増加にとどまった。これと対照的に、同期の大手企業の手元にある現金は同3.7%増加し、有価証券も同4%増加した。
次のようなデータもある。10年前に比べ、15年度(15年4月~16年3月)に日本の大手企業の手元の現金は前年度比32.4%増加したが、固定資産投資額は同16.3%増加で、アベノミクス実施前の12年度に比べて4.3%の増加にとどまった。これはつまり、日本の大手企業の利益はアベノミクスという護送船団に守られて増加したが、企業は現金を使いたがらず、投資にうかつに手を出さなくなった、ということを意味する。
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