ネットでアニメを見ることが、楊蕾さんにとって長年の余暇の過ごし方だ。彼女は北京の都心部にある国有銀行で働いている。27歳の彼女は毎日数時間、「GANGSTA」や「銀魂」といった流行りの日本アニメを見て過ごす。虚構の世界に浸ることで、煩わしい仕事のことを忘れることができるからだ。
米紙「フォーブス」ウェブサイトの5月25日付記事によると、現在中国には楊蕾さんのような消費者が2億人おり、若者娯楽市場を牽引している。この市場は「二次元市場」と呼ばれる。その人気は大きく、市場規模は今年2500億元に達し、数年後には現在の2倍となる5000億元に膨らむと見込まれている。若い消費者は虚構の世界に逃避したがっているのだ。
「日本のアニメは子供向けアニメとは違う。現実生活に基づきながら、とても面白いやり方で制作されている」と楊蕾さんは言う。その人気ぶりに、アリババやテンセントなどIT大手といった投資家の関心も集めている。彼らはアニメサイトと国内アートスタジオに十億ドルも投資している。消費者がネット登録料により多くのお金をつぎ込み、国内アニメブランドの品質が日本のアニメを追い抜くことに、彼らは賭けているのだ。さらにアニメやマンガが映画やドラマに改編され、広告から映画のチケット、周辺商品から利益を得たいと考えている。