分析によると、安倍総理は以前から消費税増税の実施を延期することを決めており、1日の正式発表に至るまでに、さまざまな布石を打っていた。TBSテレビは1日、「先週開催されたG7伊勢志摩サミットにおいて、安倍総理は、世界経済の現状について、リーマンショックの前と似た状況にあり、可能な限り対応を急ぐべきだという考えを示した。さらに総理は、経済情勢に対する緊急対応についての提案をG7声明に盛り込むよう主張したが、他の国から同意は得られなかった。
○デフレのリスクを高める消費税増税
2014年4月、日本は17年ぶりに消費税率を引き上げた。その目的は、深刻な赤字財政を健全化し、大幅な支出拡大により円安を推進し、輸出を拡大し、消費を刺激することにあった。しかし、消費税の引き上げによってもたらされたのは、消費の低迷と経済の悪化だった。日本のGDPは、2014年第2四半期、7.3%のマイナスとなり、続く第3四半期は1.6%のマイナスと、「アベノミクス」に期待していた多くの人はこの事実に大きなショックを受けた。
2014年11月18日、安倍総理は、自民党臨時役員会議において、延期していた消費税率引き上げを2017年4月に実施することを表明した。総理は、「消費税率引き上げが個人消費を押し下げる『大きな重石』となっている。2015年10月に消費税率を10%に引き上げることは、個人消費をふたたび押し下げ、デフレ脱却も危うくなると判断した」と釈明した。
分析によると、消費税の引き上げは、「アベノミクス」の「諸刃の刀」であり、財政支出拡大の基盤であると同時に、個人消費を抑える要因ともなる。