年に一度の陸家嘴フォーラムは6月12~13日に上海で開催されている。中国で供給側構造改革が推進される中、会議に参加した金融監督管理層はそろって金融分野の有効供給を強化する政策シグナルを発信し、多層的、多元的な金融機関と商品システムの構築を一層進めるとの意向を示した。それと同時に、全方位的な金融監督・管理システムと市場退出メカニズムの構築も不可欠と強調している。
中国人民銀行(中央銀行)の張濤・副総裁は発言で、「中小零細企業向けの金融サービスで、中小規模の金融機関は情報面やコスト面で優位に立つ。こうした金融機関は市場における自身の立ち位置(ポジショニング)を決め、差別化を図ることによって競争優位性を獲得し、異なる市場需要に応える必要がある」と指摘。「競争原理が十分に働くと、多層的、多元的な信用貸付市場が形成される」との見方を示した。
銀行業監督管理委員会の郭利根・副主席は「包摂的な金融システムの構築」をテーマに演説。「金融機関は包摂的金融サービスの目標を業務発展計画、考課・評価などの中核項目に組み入れ、金融サービスの包摂性を確実に向上させる必要がある。それと同時に、業務モデル、リスクコントロール、管理制度などの面で研究と改善を重ねなければならない。また、包摂的金融に特化したモニタリング・考課制度と統計制度を設け、評価と分析を強化する。リスク分散と補償制度を築き、政府財政・税収の指導的な役割を生かすべき」と指摘した。