保険業監督管理委員会の項俊波・主席は、保険についても供給面の最適化を図り、国民にメリットを実感させなければならないと強調。具体的には、◇課税繰延型個人年金保険制度を推進する、◇高齢者向けサービスと医療サービスの融合を推進する、◇条件に適合した保険機関による高齢者向けサービス、高齢者産業への参入をサポートする、◇保険養老社区(コミュニティ)の整備を推進する、◇リバース・モーゲージ(住宅担保型老後資金ローン)制度、長期福祉保険の発展を促す、◇病気の治療や医療サービス水準の向上に対する国民の期待に応える、◇商業健康保険の発展を加速させる、◇「大健康」理念を確立させる、◇医療保険において、保険金の給付のみという現状を改め、病気予防から回復段階までカバーする総合的な健康保障管理を提供できる体制の構築を促す--。
一方、金融供給の充実化を図り、市場参入規制の緩和を進めると同時に、監督・管理層は金融システムに対するマクロ・プルーデンスに基づく監督・管理の重要性も強調。人民銀の張副総裁は新たな金融業態に潜むリスクが露呈された最近の出来事に言及し、「インターネット金融を含め、すべての金融業務を網羅する全方位的な監督・管理枠組みを構築し、管理監督の“空白”と“死角”を残してはいけない」と指摘した。
また、金融供給の充実化を推進するなかで、「優勝劣敗」のメカニズムを構築する必要性も強調。張副総裁は、「金融システムの全体的な安定を維持しなければならない。それは、失敗やリスクが起きないよう、すべての金融機関を保護するというわけではない。リスクが発生し、経営が失敗した金融機関に対し、秩序のある対処・退出の枠組みを構築し、秩序のある破産を認める。再編すべきは再編し、破産すべきは破産させる。市場の規律と約束を強化する」と語った。その上、預金保険制度、信用情報システム、金融機関の市場退出メカニズムを含め、健全な制度整備を推進する意向を示した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年6月13日