税関・貿易便利化委員会の副主席、中海国際諮詢公司の秦陽・執行董事は講演を行う
中国で貿易便利化事業を積極的に提唱、推進してきた税関・貿易便利化委員会の副主席、中海国際諮詢公司の秦陽・執行董事は『中国網(チャイナネット)』記者の取材に対し、委員会が政府部門と企業の間の架け橋となり、情報交換と連携を強化するという役割を果たすと語った。課題を調査、研究し、政府部門に政策提言を行うと同時に、企業が貿易トラブルなどに巻き込まれた際にはその解決を手助けする。また、フォーラム、会議、研修会などを通じて貿易円滑化の理念を紹介し、国内で既存ルールや慣例を周知させ、中国企業がこれらを熟知、活用できるように努める。さらに、国際商業会議所、世界税関機構(WCO)、世界貿易機関(WTO)などの既存の枠組み内で、国際ルールの制定・改正に中国のビジネス界が積極的に参与できるように協力し、中国の主張を発信すると同時に、中国企業の法的権利を守る。秦陽氏が率いる中海国際諮詢公司は長年にわたって、国際貿易企業へのサポートと貿易便利化事業の推進に注力してきた。
中国は昨年に世界貿易機関の貿易便利化協定(TFA)を受諾し、16番目の加盟国となった。TFAはWTO加盟後に中国が参与、合意した初めての多国間貿易協定。今年に入ってから、協定の発効に向けて委員会は大きな役割を果たしてきた。国際機関の試算によれば、協定の実施で貿易コストは先進国が10%、発展途上国が13~15.5%下がり、年間の輸出増加額は発展途上国が約5690億米ドル(9.9%増)、先進国が約4750億米ドル(4.5%増)に上る見通し。世界のGDPを9600億米ドル押し上げ、2100万人の雇用が生まれる。業界内では、貿易円滑化協定は完成品関税率の引き下げ措置よりも大きなメリットをもたらすとの認識で一致している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年6月15日