中国と米国企業が提携して米国で進めていた初の高速鉄道建設プロジェクトが頓挫していることに高い注目が寄せられている。事の発端は、合弁パートナーとなる米Xプレスウェスト・エンタープライゼスが突如、「中鉄国際集団(米国)有限公司と合弁会社を設立し、カリフォルニア州南部とラスベガスを結ぶ高速鉄道を建設する計画は継続できない」と発表し、一方的に提携を解消しようとしたことだ。合意の握手から米国側が態度を一変させるまで、実は1年間も経過していない。Xプレスウェストは2015年9月、ネバダ州・ラスベガスとカリフォルニア州・ロサンゼルスを結ぶ高速鉄道「サウスウエスト・レイル・ネットワーク」プロジェクトの開発、資金調達、建設、運営準備で中鉄国際と合弁会社の設立について合意。沿線各地に駅を設け、現地住民を悩ませている渋滞を緩和する狙い。高速鉄道は全長370キロメートル。総投資額は127億米ドルに上る見込みで、今年9月に着工する予定だった。
なぜ突如の契約破棄に至ったのか。米国側の説明では、米政府の「高速鉄道車両は米国で製造したものでなければならない」という規定が最大の障碍になったという。しかし、国内外の複数の専門家は、「これまでに交わした契約に基づき、契約の発表も解消も、必ず双方の同意が必要」と、口をそろえた。米Xプレスウェストの「奇襲攻撃」は明らかな契約違反で、到底納得できるものではない。米コロラド大学デンバー校金融学部主任の楊堅・終身教授は取材に対し、「米国企業が突然、一方的に契約を破棄する行為は、明らかに米国が商業取引で提唱している契約精神に相反する」と指摘した。
専門家はこう指摘している。相手先国が高速鉄道を建設する実需と願望を踏まえ、中国企業が優位性を生かしてその市場に参入することによって、自身の収益源を拡大すると同時に、相手先国のインフラ水準を引き上げ、現地住民にも経済発展の恩恵をもたらす。「互恵、ウィンウィン」の理念に基づき中国側は様々な努力を施すが、頭を下げてお願いする「頼み事」をしているわけではないと、はっきりと認識してほしい。商業的な誠意を持った公正な対応が求められている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年6月14日