中国の習近平・国家主席が2013年、中央アジアを訪問した際に、シルクロード経済ベルトの共同建設を呼びかけた。それ以降、平和・協力、開放・包摂、相互学習・相互参照、互恵・ウインウインのシルクロード精神に各国が強く共感。シルクロード経済ベルトの構築が本格化するなか、中国と中央アジアの協力強化に契機が訪れている。
(一)「互聯互通」(相互連携・相互接続)が進展。足元で中国-モンゴルーロシア経済回廊の建設が着実に進み、新アジア欧州大陸橋が貫通し、中国と欧州を結ぶ国際貨物列車の運営も佳境に入っている。中国と中央アジアカ国の繋がりが深まるなか、中国-中央アジア-西アジア経済回廊の構築も着手。中国は中央アジアの国々とともに、中国-キルギスーウズベキスタン鉄道、中国-中央アジア天然ガスパイプラインD線といった重大協力プロジェクトを推進する。技術や規格の統一にも力を入れ、効率的かつ円滑な通関体制を整え、貿易・投資のさらなる円滑化に努める。
(二)シルクロード経済ベルトとユーラシア経済連合の結合で協力余地が一層広がる。シルクロード経済ベルトとユーラシア経済連合を結びつけることは、中国とロシアの国家首脳が下した重大な戦略的決断で、ユーラシア経済連合の各加盟国から支持されている。結び付きが深まるにつれ、中国と中央アジア各国の間に、新たな交流と協力の架け橋が築かれる。中国と中央アジアの共同発展、地域の安全保障強化に繋がり、利益を共有し、運命を共にする共同体を創出する。各国にとっても大きなメリットがある。