EVに新技術を併用すると、1回の燃料充填で走行可能な距離は最長で800キロメートルに達する。EVの連続走行が可能な距離を約3倍に延ばすことができる。
ライバルのトヨタ自動車は2014年12月に初の量産型燃料電池車(FCV)「ミライ」を発売。ホンダも2016年3月にFCV「クラリティフューエルセル」のリース販売を始めた。どちらも高純度の水素を燃料に使い、走行時には水しか出さないため、「究極のエコカー」と呼ばれる。
一方、水素の貯蔵や充填には専用のインフラが必要となるため、普及には時間がかかるとみられている。
日産が着目したバイオエタノールは走行時に二酸化炭素を排出するが、サトウキビなどの原料が成長する過程で二酸化炭素を吸収。全体では大気中の二酸化炭素を増やさず、気候変動対策になる。日産の坂本秀行副社長は「ブラジルや米国ではバイオエタノールが既に流通しており、水素より入手しやすい環境にある」と説明した。