昨年10月に中国の政府指導部が英国を訪問した際、両国は総額400億英ポンド(560億米ドル)を超える協力案件で合意した。「中国は欧州市場で自国製品をもっと販売したいと望んでおり、なかでもユーロ圏がベストと考えているはずだ」。米国のブルッキングス研究所のフィリップ・ル・コー客員研究員はこのような見方を示した。供給対象が6500万人の英国市場に限られ、5億人のEU市場に広がらなければ、投資家にとって英国の魅力はそれほど大きくないだろう。
これは金銭的な問題ではない。
中国政府にとって、EU離脱をめぐる国民投票は政治的な利害関係をもたらす。中国政府はこれまで一貫して英国政府との密接なパートナーシップ発展に注力してきた。仮に、英国がEU離脱となれば、中国政府の判断は疑問視される可能性がある。
ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス国際情勢・外交・ストラテジー研究センター(LSE IDEAS)東アジア国際関係部門の于洁マネージャーは「英国がEUから離脱すれば、中国と英国の関係を弱めるだけ」と述べた。