「保有率の減少は米国債の見通しが悪いことを示すわけではない」と中国国際経済交流センターの情報部副部長である王軍氏は述べる。全体的に見て、現在の各国の通貨当局は依然として米ドル資産を有望視している。米国債の収益率も向上する局面が見られる。ユーロや円、ポンドと比べれば、米ドル資産の保有価値は高いといえる。
交通銀行のシニアエコノミストである連平氏は取材に対し、4月の中国の保有米国債の減少率はとても低く、中国の施策に大きな変化があったとは言えないとの見方を示した上で、今回の減少は取引上の需要、手持ち資金の需要、満期になったことなどによる影響かもしれないと話す。 業界筋は、中央銀行のSDR使用拡大は、海外投資家に対する銀行間債券市場の開放という方向性に合致していると述べる。「人民元のSDR加入の現実的意義は、各国が人民元を準備資産にすることだ。それによって中国の金融資産、特に国内銀行間債券市場への資金引入れが増加していく」。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年6月21日