日本の財務省が20日発表した5月の貿易収支(速報、通関ベース)によると、対中・対米輸出の落ち込みが鮮明となった。急激な円高によるネガティブ要因に加え、世界経済の成長鈍化を背景に、今後は輸出増加を通じた貿易収支の改善は難しいとの見方が出ている。
中国向けの輸出額は9019億円(約567億元)と、前年同月を14.9%下回った。半導体等電子部品が17.1%減少したほか、有機化合物も24.3%減少。昨年8月からの対中輸出の推移を見ると、今年2月を除く9カ月はいずれも前年同月を下回った。
米国向けの輸出は10.7%減の9699億円で、3カ月連続の減少。自動車部品が13.1%減、鉄鋼が39.3%の大幅減。日本メディアによると、中国の生産過剰に起因する価格の下落を背景に、鉄鋼市場は飽和状態にあるとの見方が広がっており、生産能力過剰問題の解消には時間がかかりそうだ。