国家レベルのシンクタンク候補とされる中国石油経済技術研究院は12日、「2050年の世界と中国のエネルギー予測」レポートを発表した。経済構造の調整とエネルギー消費の調整政策の影響により、中国のエネルギー消費は2035年前後にピークに達し、石油エネルギー消費は2030年にピークに達すると予測。また2045年前後に天然ガスが石油を抜いて世界最大の消費エネルギーになると予測している。
同レポートによると、世界のエネルギー消費量は2045年に167億トンの石油相当となってピークを迎え、その後、徐々に減少していく。これはエネルギー効率の向上と中国などエネルギー消費大国の消費が減少するためだ。2015年から2020年にかけ、世界のエネルギー消費量は年間平均1.6%増加する。その後も若干の増加を続けながら、2045年前後にピークを迎える。世界の非石油エネルギー消費量は、現在の石油18.1億トン相当から、2050年に37.6億トン相当に増加する。年間平均増加率は1.7%前後となる。この頃、非化石エネルギーは全体のエネルギー消費量の23%前後を占める。
「中国のエネルギー消費、特に化石エネルギー消費がピークに達すると、世界の炭素ガス排出量と気候変化に大きな影響を与える」と、中国石油経済技術研究院発展戦略研究所の副所長である杜偉氏は指摘する。世界では現在、高効率でクリーン、そして多様なエネルギーの改革が進む。中国のエネルギー構造の改善は、世界のエネルギー発展に新たな変化をもたらすものになる。
同レポートはまた、世界のエネルギー消費構造は日々クリーン化していると指摘する。天然ガスは石油を抜き世界最大のエネルギー源となる。世界のクリーンエネルギー全体に対する天然ガスの割合は、2050年には30%を占める。天然ガスは2025年前後に石炭を抜いて2番目のエネルギー源となり、2045年前後には石油を抜いて最大のエネルギー源となるとしている。
また、世界の石炭消費はすでに増加する余地はなく、2050年までに消費エネルギー全体の20%にまで減少する。石炭消費はすでにピークを迎えており、中国のエネルギー消費構造も明らかに低炭素化に向かっている。非石油エネルギーの割合は12%から30%以上に増加するだろう。
エネルギー効率の向上とエネルギー構造の改善により、世界および中国のエネルギー消費量と炭素ガス排出量は確実に減少に向かう。世界・中国のエネルギー関連の炭素ガス排出量は、それぞれ2035年頃と2030年頃にピークを迎える。2050年には、世界の炭素ガス排出量は2020年の水準にまで下がると見られる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年7月14日