中国輸入車市場統計データによると、今年1−5月の輸入車販売台数は38万4000台で、前年同期比12.4%減となった。5月は14.9%減。輸入車の販売台数が減少するのは、これで17ヶ月連続。
中国の国民経済水準の向上に伴い、輸入車は高品質の生活を求める消費者から注目され、市民の購入時の選択肢になっていった。しかしこの風向きには近年、突如変化が生じた。輸入車を主に取り扱うディーラーは大都市から中都市へと展開していったが、データを比較対照すると、輸入車の販売の現状は輸入車ディーラーの開店ペースとマッチしていない。
「修理の費用が高く、お金だけではなく時間がかかる」記者はこのほど、新車購入を検討中の消費者を取材した。彼らは輸入車の維持費が最大の懸念の一つとした。中国人消費者の車の需要が理性的になり、現地生産の外国車が注目を集め、認められ、受け入れられるようになった。中国網の自動車専門記者が北京のディーラーを取材したところ、同じベンツGLAクラスでも輸入車と国産車の価格差は2万元弱だった。圧倒的多数の購入者は国産車を選択していた。「買っても維持できない」という苦しい状況を誰でも避けたがるわけだ。
多くのブランドが国産化を始めている。アウディ、ベンツ、BMWなどのトップブランドの、人気車種の多くが国産車だ。インフィニティ、ルノー、ランドローバー、ジープなどの二番手のブランドも、国産車市場の展開を加速している。これにより輸入車の乗用車市場全体における割合がさらに低下し、輸入車市場全体が伸び悩んでいる。
業界関係者は、輸入車の販売低迷は全体的に見て、中国自動車市場の発展の必然的な結果だと分析した。これまで輸入車が高い割合を占めていた高級ブランドは、中国での工場建設に意欲的で、グローバルな品質管理を採用しているという。また多くの非高級ブランドも、中国人消費者の好みに基づき、輸入する車種の調整を行い、市場に迅速に投入している。これは輸入車の栄光が過去となったことを浮き彫りにした。
中国自動車市場の発展段階の変化に伴い、中国人はもはや盲目的に輸入車を信仰しなくなった。輸入車のラインナップは今後、個性化・ファッション化・ニッチ化の傾向を示す。輸入車も再び「市場の補完」を中心とするようになる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年7月20日