国連貿易開発会議(UNCTAD)の梁国勇・経済事務官は、中国の労働力など生産要素価格の上昇と東部・西部の発展の格差縮小にともない、多国籍企業の海外シフトが必然的に進むと指摘。長期的に見れば、このような産業と労働力の移転、資源配置の適正化は必然的な過程だ。短期的に見れば、雇用と経済成長の面で一時的な痛みを伴う。また、もう1つ考えられるネガティブな効果は、「産業の空洞化」だ。産業の西部への移転促進と、外資の国外流出防止が喫緊の課題だ。政策設計にあたっては、インフラ、産業集積、政策支援、制度コストなどの要素を考慮する必要があるという。
産業移転の促進以外にも、開放区のアップグレード版構築には、国家クラスの経済技術開発区と「一帯一路」構想の融合が重要となる。事実、外商投資の受け皿として、開発区が外商投資の7割以上を受け入れている。中国では今、219の国家クラスの技術開発区がモデル転換と高度化の必要に迫られている。
梁国勇氏は、開発区のモデル転換と高度化には、土地柄に応じた手法が必要だと指摘。特定産業に主導的地位にある強い企業を呼び込むのが早道だとしている。
同氏はこのほか、「現実的には外資導入量の安定が依然として意味を持つが、高付加価値に着目し、質的向上を図ることが重要だ」と指摘した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年7月26日