昨年9月に国連開発サミットで「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択され、世界発展に向けた新たなビジョンが描かれた。その1年後、初めて中国(浙江省杭州市)で開かれる20カ国・地域(G20)サミットは、世界を持続可能な成長での協力に導く大きなチャンスとなる。
持続可能な開発のための2030アジェンダの実行開始年に杭州サミットは、成長問題をグローバルマクロ政策枠組みの最優先事項に初めて位置付けた。持続可能な開発のための2030アジェンダ実行をめぐる最初の体系的な行動計画を策定し、世界の包括的な連動式成長に注力する。国際社会は、中国が長期的・戦略的な構想と行動に溢れていることをポジティブに評価し、杭州サミットがアジェンダの実行をリードすることで、G20が世界を持続可能な成長での協力に導く舞台となることを期待している。
持続可能な開発のための2030アジェンダは世界発展の運命に関わり、各国が団結・協力のもと共同で実行していくことが必要となる。「世界各国のマクロ政策協調がなければ、アジェンダの目標実現は空論となるだろう」。オーストラリア国立大学のピーター・ドライスデール教授はこのように話した。
国連経済社会理事会(ECOSOC)経済発展委員会のサイモン副主任は記者に対し、持続可能な開発のための2030アジェンダが短期的なプロジェクトではなく、多くの国が関与する非常に大きな取り組みになると説明。アジェンダを実行し、17項目の成長目標を実現するには、各国の政策と行動の協調が必要で、そうなれば歩調が一致し、正しい方向に前進するとの見方を示した。