金相場に連動した上場投資信託「金ETF」市場は、今年上半期も投資家からの人気を集めた。魅力ある投資対象としてポートフォリオに組み入れようとする動きだが、これも資本市場の低迷を裏付けるものといえる。
世界的な金の調査研究機関、ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)の中国エリア董事総経理を務める王立新氏は11日、『証券日報』のインタビューに応じ、「今年に入ってから中国の投資家が金ETFの持ち高を積み増しており、今年6月末時点での持ち高は24.4トンと昨年末に比べ4倍増加した。上半期に中国の金ETF保有総額は2.15億ドルから増加の一途を辿っており、足元ではすでに10億ドルを上回っている」と述べた。
ワールド・ゴールド・カウンシルが同日発表した『金需給レポート』によると、今年上半期の世界の金需要は2335トンと記録的な高水準になった。うち投資需要は1064トンと過去最高を更新、2009年上半期を16%も上回った。旺盛な投資需要に支えられ、金需要は第1四半期(1-3月)に引き続き増加。第2四半期(4-6月)の金需要は1050トンと、前年同期の910トンを15%上回った。
政治的リスクや地政学的リスクが高まるなか、投資家によるリスク分散と安全資産形成の動きが強まり、金の投資需要は448トンに上った。特に金ETFは上半期に580トンに上ったが、第2四半期の積み増し分の237トンが大きく寄与した。第2四半期は金地金と金貨の需要も拡大。米国は101%増の25トンに達するなど、多くの市場で需要が大幅に伸びたことで、上半期は前年同期比4%増の485トンとなった。