「ファン」という語はアイドルの登場と共に出現し、中国でも長年使われて来た。そして、インターネットが急速に発展するにつれ、今ではアイドルの追っかけ以外の分野でも使われるようになっている。例えば、微博(ウェイボー)や微信(Wechat)の公式アカウント、ネットショップなどのフォロワーも、中国では「ファン」と呼ばれている。「ファン」の出現は、社会現象でなく、経済現象にもなっている。
ファン経済とは、「実物+バーチャル」という消費体験のアップグレード版のことで、ファンたちは喜んで財布のひもを緩めて商品を買い、サービスにお金をかける。さらに重要なのはそれにより彼らの心理的欲求が満たされる点だ。
北京のある銀行で勤める劉子墨さんは最近、「猛人杜甫、一个小号的逆襲」とプリントされたTシャツを購入。「ついに手に入れた。すぐに来て自慢しないと」と話した。そのTシャツのデザインは何か特別優れているようには見えなかったが、劉さんは大のお気に入りのようで、「これは微信(Wechat)で大人気の伝記小説のタイトル。作者の六神磊磊のファンなので、これを着ていると、分かる人には私たちの気持ちが分かる」とした。