▽各方面が意欲示す
マレーシアも政府もシンガポール政府も同高速鉄道プロジェクトの予算を発表していない。現地メディアの試算によると、100億ドル(1ドルは約100.1円)から150億ドルになるという。プロジェクトのスタートが明らかになると、高速鉄道技術をもつ国・企業はさっそく興味を示した。
昨年10月、両国は同高速鉄道に対する意見や関心を公開募集し、ビジネスや技術的問題に対する業界の声を集め、今後の二国間での話し合いや入札の参考資料とした。企業・連合体から98件の回答が集まり、欧州からは56件、中国や日本など東アジア諸国からは14件だった。
同高速鉄道の入札はまだ始まっていないが、各方面はすでに力を入れ始めている。中国と日本はマレーシアで高速鉄道に関する展示会とシンポジウムを開催し、韓国の韓国高速鉄道(KTX)はクアラルンプールの大規模ショッピングセンターで1店舗を借り上げ、自国の高速鉄道技術を展示アピールした。
マレーシアとシンガポールが高速鉄道をめぐり一致したことにより、入札を検討する国は両国政府に対する宣伝やロビー活動を盛んに行っている。マレーシア交通省の廖中莱(リオウ・ティオングライ)大臣がソーシャルネットワーキングサービス(SNS)で明らかにしたところによると、マレーシアとシンガポールが覚書に調印した前後の今年の6月から7月にかけて、韓国国土交通部の姜鎬人大臣、日本の国土交通省の石井啓一大臣、マレーシア、オーストラリア、中国によるマレーシア航空370便捜索をめぐる3カ国閣僚会合に出席するためマレーシアを訪れた中国交通運輸部(交通運輸省)の楊伝堂部長とそれぞれ会談したという。