▽中国が優位
両国メディアや一連の業界アナリストの間では、同高速鉄道は主に中国と日本との競争であり、マレーシアでは中国がやや有利との見方が広がる。韓国も強い関心を抱き、中日が激しい競争を繰り広げる中で有利な位置に立とうとしている。
今年5月、中国鉄路総公司の盛光祖社長が中国企業の連合体代表団を率いて両国を訪問し、関連当局の関係者と会談した。
盛社長は、「中国企業連合体は高速鉄道プロジェクトの調査研究を終えている。総合的技術プラン、投融資モデル、運営管理、土地の総合開発など多くの課題について掘り下げた研究を済ませており、マレーシア-シンガポール高速鉄道プロジェクトの実施に向けて、投融資、プロジェクト建設、設備製造、運営管理、総合開発、人材育成など系統的なソリューションを提供することが可能だ。中国企業連合体は両国の法律と国際的な慣例に従い、公開、公正、公平な環境の下で同高速鉄道プロジェクトに参加し、互恵・ウィンウィンの原則に基づいて、中国高速鉄道の発展経験を両国と共有したい」と述べた。
マレーシアの交通ルール専門家・呉木炎(ゴー・ボックエン)氏は、「入札に参加する各方面は技術的には目立った差がない。マレーシア-シンガポール高速鉄道のような大型インフラ建設において、中国はビジネスの観点やビジネスモデルをよりどころとして入札に参加するだけでなく、政治、経済、文化、教育の各方面に関わる一連の友好的な措置を起点とし、同時に人々の支持も得ようとしている。たとえば中国中鉄株式有限公司は計画で同高速鉄道の始発駅とされるマレーシア『大馬城』のプロジェクトに参加し投資している。中国中車集団孔子はマレーシアのASEAN製造センターで昨年、運営に投資し、同センターは高速鉄道車両の製造能力をもつようになった」と話す。
呉氏の言葉のように、マレーシア-シンガポール高速鉄道の入札には政治的な要素があり、始まるまではすべての面に変数が存在するといえる。このプロジェクトを争うのはマラソンを走るようなもので、実力が試されるだけでなく、忍耐力も必要になる。(編集KS)
「人民網日本語版」2016年8月22日