中国の「処方箋」は、改革とイノベーションによる新たなエネルギーの掘り起こしも重視している。イノベーションは基本的に成長の鎖を外すカギとなる。中国はイノベーション成長方式を杭州サミットの重点議題に設定し、「G20イノベーション成長青写真」の策定や、国際貿易と投資の「ダブルエンジン」の再稼働を推し進める。革新には動力が、改革には活力が必要だ。「我々は政策や技術、あらゆる面のイノベーションを必要としており、イノベーションは世界経済が金融危機の影響から脱するための不可欠な要素だ」。2015年G20ビジネスサミットのパートナーで、トルコ商工業連合会の政策顧問を務めるサップ・カルカン氏はこのように話した。
世界経済の局面が変化する大勢に順応し、包摂と連動式の成長に力を注ぐことも中国の「処方箋」が世界で称賛される理由だ。現在の世界では、いくつかの先進国に頼るのみで発展途上国の関与が無いため、各国間の政策策定、インフラ、相互利益などが連動せず、世界経済が好転する気配がみられない。包括的で持続可能な成長を推し進めることは、国際社会の道義的責任となるだけでなく、計り知れない有効需要の解放にもつながる。国連のパン・ギムン事務総長は、中国の努力が「G20サミットの包摂性を新たな水準に引き上げた」との見解を示している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年9月5日