第11回20カ国・地域(G20)サミットが9月4日、杭州国際博覧センターで開かれた。中国の習近平国家主席は会議を主宰し、開幕の基調講演を行った。
習近平国家主席は「G20議長国としてこの1年間に、中国は各方面と集中的に調整・コミュニケーションをとり、杭州サミットのために“革新(イノベーション)、活力、連動、包摂の世界経済構築”のテーマと一連の重点議題を設定した」と述べた。中国が提起した理念とソリューションは中国が世界各国と共同発展し、苦楽を共にする態度と決心を示すと共に、中国が大国としての使命感と責任感を体現したものになると説明している。
現在の試練について習近平国家は、G20がマクロ経済政策の協調を強化し、世界経済の成長促進での協力と金融の安定維持を図る必要があると指摘。その他に、成長方式のイノベーションによる成長エネルギーの掘り起こしや、世界経済ガバナンスの改善によるシステム保障の強化、開放型世界経済の建設による貿易と投資の自由化・利便化の継続的推進、持続可能な開発のための2030アジェンダの実行による包括的な成長の促進も取り組むべき課題に挙げた。こうした重要な主張は回復力に乏しい世界経済のために出した“中国の処方箋”で、参加国と国際社会の大きな反響と広い称賛を引き起こしている。
中国の「処方箋」が世界で称賛されるのは、世界経済ガバナンスの「痛点」に着目したからだ。主要経済国のマクロ経済政策の不一致が生み出すネガティブな影響に対し、中国は各国に政策協調の強化を訴え、「杭州行動計画」の策定を主導。また、金融政策、財政政策、構造改革の三管斉下(3種類の方策を同時に行うこと)が必要と強調し、国際金融機関のガバナンス構造の高度化やグローバル金融セキュリティネット整備などの考えも提起した。「各国が杭州サミットでコンセンサスをまとめ、一体となって政策協調の措置を講じれば、短期間のうちに世界経済が低迷する局面をひっくり返すとができる」とオーストラリア籍のエコノミスト、郭生祥氏は話している。