G20杭州サミットに出席した国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は5日、プレスセンターで開かれた記者会見で、「中国の優れた指導力により今回のサミットは成功し、世界経済にポジティブな力をもたらす」との見解を示した。
ラガルド専務理事は、「世界経済は低成長の時期が長引き、成長の恩恵を受ける人があまりにも少ない。このためG20サミットは、世界はよりスピーディーで包摂的な成長を必要としているとの認識で一致し、金融政策、財政政策、構造改革でも一段の措置を講じることに賛同している。このプロセスではイノベーションの役割が非常に重要となる」と指摘。また、「習近平主席の『行動は言葉よりも雄弁だ』という言葉がカギとなる」とし、G20の首脳が杭州サミットの成果を実行に移し、世界の経済成長をけん引するよう呼びかけた。
人民元は今年10月1日より正式にIMF特別引出権(SDR)の構成通貨となる。ラガルド専務理事はこれを歓迎し、1つの重要な節目だと指摘。国債通貨体系の強化につながり、中国が関連分野でより大きな役割を果たすことを期待するとしている。また、中国がSDRを利用して準備資産を評価したり、SDR建て債券を発行したりすることを称賛。「IMFはどうすればより良く広範囲でSDRが利用できるかを模索している」と強調した。