G20杭州サミットは国際社会から大きな期待をかけられていた。なかでも、G20の貿易・投資を強化するシステム構築の推進、世界貿易成長戦略と世界投資ガイドラインの策定、多国間貿易システムの基盤強化、反保護貿易主義の約束再表明が各国の望んだ重要な成果だった。
周知の通り、国際貿易が発展するための最も核心的な要素は、取引おいて実際に利益を上げられるかどうかだ。世界経済の構造に矛盾が生じ、従来型貿易が経済体に実質的な利益を及ぼさなければ、必然的に貿易規模が縮小し、保護貿易主義が台頭することを避けられない。まさにこれを踏まえてG20サミットはマクロ調整と経済構造改革の強化につながるトップダウン設計を打ち出した。では、どのように経済構造を改革するのか?最も大切なのは新たな経済成長の原動力をつくることで、そのためにはイノベーションに頼らなければならない。なぜなら、イノベーションを通じて新たな経済成長モデルを打ち立て、それが他国に認識された場合にのみ、他国がそれぞれの物をもってイノベーション製品と技術の貿易にやって来て、それが自国の経済成長を推し進め、貿易取引が経済成長を促進し、ウインウインを実現するためだ。
中国は世界第2の経済体、世界最大の貿易国として、イノベーションの波に乗ることを目指している。そのため、中国のイノベーション成長の成否が、すでに非常に大きくなった国際貿易を振興できるかどうかのカギとなる。中国にとってイノベーション成長はチャンスであり試練でもある。特に試練については自国の体制・システム改革など内部要因のほか、非常に大きな外部要因があって、それはどのように他国のイノベーションの成果を利用して自国のイノベーションを進めるかであり、結局は国際貿易の問題に戻ることになる。米国や欧州など先進技術保有国は、キー技術の分野を一貫して中国に対し封鎖することで中国のイノベーション成長を非常に遠回りさせた。そのため、貿易開放の新たな局面の再構築と、欧米などの国家・地域との技術交流の強化が、中国のイノベーション成長には非常に重要となる。