データを見ると、2004年から2008年まで、国内で放送されたテレビドラマ1作あたりの平均話数は30話以内だったが、2009年から2012年には30話から35話となり、2013年になると35話を上回るようになった。
テレビ局に一切の責任がある訳ではないが、視聴者も決して納得していない。それでも、国産テレビドラマがますます長くなるという「悪い体質」は、解決されていないどころか、その傾向はますますひどくなっている。その理由はコストに大きく関わりがあるのだ。
プロデューサーの謝暁虎氏は、この問題について「簡単な見積もりを例にとってみると、例えば一流俳優をドラマに起用する場合、1億7千元ほどかかる。30話完結のドラマならば、市場販売価格の相場は1話あたり500万元だ。30話販売しても、経費さえ回収不可能だ。だが、それを40話や50話完結にすれば、コスト回収は可能となり、儲けも出る。国産ドラマが長くなる理由はつまりはそういうことだ」と語る。
そして「これまで、俳優が出演料に関する契約に署名する際には、『話数×1話あたりの単価』で計算してきた。だが、今では、制作者サイドで不確定要素を多く抱えるようになったので、出演料は単価計算ではなく総額で決めるか、俳優がドラマ作りに関わった時間数をもとにギャラを計算するようになった。このような方法で話数を増やすことでギャラのコストが増えるというリスクを回避できるようになった」とした。
現在、撮影が始まる時点で話数が正式に決まっているドラマはほぼ皆無で、話数を増やしていくという前提で制作が始まることが、いまや業界の慣例になっているという。
謝暁虎氏は、「国産ドラマがひたすら『延長型』に向かおうとしても、テレビ局が放送可能なドラマの作品数が減少する結果に終わるだけだ。仮に1作あたり70話制作する予定でも、1年に放送できるのは10話に限られ、結果損をするのは視聴者とテレビ局自身だ」と、やや憂慮しながらコメントした。(編集KM)
「人民網日本語版」2016年9月11日