韓国政府は9月11日、法定管理を申請した韓進海運との契約で損失をこうむっている中小の運輸代理企業向けに4000億ウォン(1ドルは約1108ウォン)の緊急の金融支援を行うことを決定した。これによって関連企業の苦境を支援する。韓進海運の法定管理申請によって、造船不況により低迷が続いている地域経済は一段と落ち込むとみられ、韓国政府は官民合同でこの危機を乗り越えることが大切との見方を示している。
海運産業はこれまで輸出入を中心とする韓国経済にとって重要なインフラ産業であった。韓進海運は国内で最大、世界ランク7位の海運大手である。世界に60隻余りの定期船と不定期船を有し、取扱貨物量は毎年世界で1億トンを越える。世界経済や港湾、物流ネットワークの中で重要な位置を占めていた。
しかしここ数年の経営状況は不振を極め、2015年末の経営指標を見ると、債務超過額が6兆6000億ウォン、負債・自己資本比率が850%。今年上半期の累損は4730億ウォンに達した。韓国産業界の専門家によると、短期債務を返済し当面の運営を維持するには1兆2000億ウォンが必要とされ、同社はそれに耐え切れず8月末に法定管理を申請。