オフショア人民元市場の建設に新たな進展があった。米国初の人民元決済銀行は中国銀行に決まった。中国人民銀行(中央銀行)は21日、米国での人民元決済銀行に中国銀行ニューヨーク支店を指定したと発表した。人民元決済業務は21の国と地域に拡大し、人民元の国際化が加速する。
中国銀行は、「世界最大の経済大国として、米国は人民元『走出去(海外進出)』の重要な足がかりになる」と指摘。「今回の人民元決済銀行の設立は米国での人民元決済とクロスボーダー取引の利便性向上につながる。これにより、中米2国間の貿易、投資、経済協力は新たなステップを踏み出すことになる」としている。
中米両国は昨年9月、人民元業務の協力強化で合意した。今年6月には、米国人民元オフショアセンターの建設が始動し、人民銀は米連邦準備制度理事会(FRB)と米国での人民元決済に関する協力覚書を締結した。また、人民元適格海外機関投資家(RQFII)の試行を米国に拡大し、2500億元の投資枠を付与、中米それぞれが米国で人民元決済銀行を1行指定することに同意した。