日本の建設機械大手コマツの中国事業に底入れ感が出てきた。同社が中国で販売した建機の月間稼働時間が8月、5カ月ぶりに大きな伸び率となった。日立建機の販売台数も42%増加。中国で鉄道・港湾など幅広い分野でインフラ整備が再び始まったためだ。今期の建機各社の業績は円高や資源安で減収減益の予想だが、中国事業の復調が業績を下支えしそうである。
コマツが中国で販売した建機の月間稼働時間は、今年2月から前年同月比でプラスに転じた。8月の伸び率は11%と、今年3月(29%)以来の伸びとなった。販売も復調している。同4~8月の油圧ショベル販売は、コマツが14%増。日立建機も堅調で、8月は42%増となった。コベルコ建機も29%増となった。
中国経済は力強さに欠けるものの、地方政府は現地の投資拡大に動いている。1~8月の固定資産投資は8%増となった。野村証券の斎藤克史氏によると、油圧ショベルは「特に大型機の回復傾向が顕著」という。建機事業における中国の売上高シェアは4%だが、稼働時間の上昇は、顧客の買替・保守・整備の需要が会社の予想より高まる可能性を示唆している。中国市場の利益率は先進国よりも高いとみられており、業績全体に対する貢献度も高い。
コマツの藤塚主夫・最高財務責任者(CFO)は「中国の建機市場が底入れしたと判断するのは時期尚早」と言うが、同社の株価は2月の安値から5割上昇。9月23日に年初来高値を付けたほか、日立建機の株価も7月の安値から5割上昇している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年10月9日
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