国際通貨基金(IMF)と世界銀行の年次総会が9日、3日間の会議を終え、米ワシントンで閉幕した。
中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁を団長とする中国政府代表団が年次総会に出席し、IMFの運営方針を決める第34回国際通貨金融委員会(IMFC)の閣僚級会議で、中国の経済情勢とマクロ経済政策などの議題について発言した。
周総裁はこの席で、今年に入ってからも中国の経済成長は引き続き合理的なレンジ内に収まっており、物価も基本的に安定を維持しているほか、このところ一部の主要経済指標にも持ち直しが見られるようになったと述べた。
その上で、中国経済は中高速成長期へと移行する「新常態」に入っており、構造の面でも質の面でも改善が続き、新たな成長エンジンが生み出されるなど、経済が長期的に上向くというファンダメンタルズが変わることはないとの見方を示した。
また、銀行貸出の伸びが拡大していることについては、世界経済の成長が伸び悩む中でのリスク対応を反映したもので、成長促進に向けて尽力していることの表れだと説明。世界経済が回復に向かえば、貸出の拡大を抑えることができるとした上で、銀行の不良債権比率は若干上昇したものの、資本は十分に厚く、全体的にリスクコントロールは可能だとの見方を示した。