終了したばかりの国慶節長期連休中、中国の金取引市場では取引が停止されたが、国際市場では激変が生じていた。米連邦準備制度理事会の利上げ観測が強まり、世界の中央銀行による金融緩和策の転向の可能性といった不利な情報による影響を受け、金価格がかつてないほどの圧力にさらされ再び暴落した。10月7日(金)の取引終了時、国際金現物価格は1オンス1260ドルという分水嶺に迫り、一時1241ドルをつけた。国慶節の長期連休前で最後の営業日となった9月30日時点で、国際金価格(終値)は1オンス1316ドルをつけていた。これは7連休中に金価格が約5%低下したことを意味する。
国際金価格の暴落に対して、国内の多くの投資家は手をこまねいている。これらの投資家の多くが上海金取引所を利用しているが、10月1-9日の9日間は取引停止となるからだ。ある投資家は「金価格低下を目の当たりにしながら、逃げることが出来ない」と表現した。
金アナリスト、休日制度の改善を提案
記者の調べによると、中国の長期連休に伴う取引停止中に金価格が高騰・暴落するのは、今回が初めてのことではない。国際金価格は今年の春節連休中に7.05%と大幅に上昇し、2月11日だけでも3.5%上昇し、中国の投資家との間に「時間差」が生じた。金投資家はこの状況について「中国のような7連休は世界的に珍しい。しかも金取引所は法定祝祭日に取引を停止するばかりか、連休前後の振替出勤日になる土日も休むため、10日ほど連続で休むことが多い。これは世界と連動する金投資にとって極めて不利だ」と訴えた。
国慶節連休中、北京で金製品が好調な売れ行き
今回の国際金価格の暴落は、ちょうど中国の国慶節連休中に生じた。この時期は中国の金製品の販売のピークでもある。
記者が8日に北京の貴金属各店を取材したところ、金価格の下落は国慶節中の金製品の販売に影響を及ぼさなかった。貴金属店・ 菜百の連休中の売上は、前年同期比2割増で2億元を突破した。太陽金店の于桂英総経理は「現在の金価格は前年同期比で1グラム当たり50元ほど高くなっているが、金の装飾品は依然として売れ行きが好調だ。最も消費者から注目されたのは、腕輪、ネックレス、指輪などだ」と話した。多くの消費者は「金価格は昨年より高いが、受け入れられる。装飾品は着用するものだからだ」と表明した。しかし桂氏は「市場は各国の中央銀行が金融緩和策を引き締めることで、金価格が低下傾向を示すことを懸念している。そのため金投資家は市場の情報に注目し、短期的かつ大規模な購入を避けるべきだ。現状を見る限り、金価格の低下は金塊への投資意欲に影響を及ぼしている。連休中に投資目的で金塊を購入する消費者は、装飾品を購入する人ほど意欲的ではなかった」と指摘した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年10月9日