中国国家統計局が発表した2016年第3四半期(7-9月)の国内総生産(GDP)は前年同期比6.7%増と、第2四半期(4-6月)から横ばいだった。専門家は、経済運営が安定が続いているほか、雇用、投資、新経済などの面でポジティブな変化が見られると指摘した。
国家統計局の盛来運報道官は、「第3四半期の経済運営は安定を維持した。ポジティブな変化が増えており、安定への基盤が強化された。成長、雇用、インフレ、国際収支などの主要指標からも『安定』基調が鮮明で、安定を保ちつつ改善に向かっている」と指摘した。
交通銀行の連平チーフエコノミストは、「経済運営に、安定的に回復に向かうポジティブな要素が現れており、直近の複数の経済指標も改善に向かっている。」と指摘した。具体的には、◇構造調整の効果が現れ、石炭、鉄鋼などの生産能力削減は、すでに年間目標の80%を達成した。◇電力使用量も増加し、第2次産業の電力使用量はプラス成長を維持。第3次産業の電力使用量は、ここ3カ月15%前後の伸びが続いている。◇非製造業PMIは7カ月連続で53%を上回り、サービス業と建築業の安定成長が明らかだ。◇輸出先行指数、輸出経理人指数、中国航運景気指数、中国航運信頼感指数がいずれも上昇。輸出が緩やかな改善傾向を辿る見通しであることを示す。◇インフラ投資が加速するなか、長年に渡る製造業向け投資の減少に歯止めがかかり、不動産開発投資の伸びがやや加速した。――と、分析した。