中国電子商取引研究センターの莫岱青シニア研究員は、「ネット通販が一定規模に達して『人口ボーナス』を発揮しにくくなったことだけでなく、増加率鈍化には消費者のショッピング行動が理性的になり、消費がバージョンアップして買い物では個性や品質をより追求するようになったことが原因としてある」と指摘する。
中国貿促会研究院がこのほど発表した「中国消費市場発展報告」によると、15年にはブランドや品質に「注目する」とした消費者がネット通販利用者に占める割合は56.40%に達し、14年よりも注目度が高まったことがわかる。
だがオンライン消費が社会消費財小売総額に占める割合は、まだオフラインの販売ルートと肩を並べるほどではない。そこで、「これから長い間、通販消費は消費の伸びの注目点であり続ける」との見方を示す専門家もいる。
だがどのような原因によるのであれ、通販の伸びが年々低下しているのは紛れもない事実だ。今後、消費のバージョンアップが加速を続け、実店舗が「復興」する中で、通販はどこへ行くのだろうか。
専門家は、「通販はこれから価格戦という方法で存続するのが難しくなる。モデル転換を加速させることが必要で、自身が抱える『以前からの問題』の解決にも努力することが必要だ」と話す。