投資意欲の減退が囁かれる中、ロボット産業が投資家の注目を集めている。「人工知能とロボット産業の分野は、マクロから見て有望にみえる」。普華キャピタルのパートナーである周密氏が「世界ロボット大会2016」の席上でそう述べる。 ロボット産業分野への資本投入をどうみるか。資本市場はロボット産業の発展にどんな影響を与えるのか。投資家や企業は、ロボット産業の何に着目しているのだろうか。
急速に流入する金融資本
最近、ロボット分野に大量の資本が流入している。スマート製造とロボット産業の上場企業数は急増しており、発展モデルも日々多様化している。これにより産業が急発展している。
「この数か月、中国ロボット産業で国際的M&Aの典型的事例があった。4月には浙江万豊科技が、米国の溶接ロボットシステムのPaslinを買収した。これにより同社は溶接ロボットインテグレーターのリーダーに躍り出た。5月には美的集団が、独ロボット大手で自動化のソリューションも手掛けるクーカを買収。美的集団は国内サービスロボット産業のトップに躍り出た。これは中国ロボット産業最大の越境買収である。6月には漢徳キャピタルが、イタリアのアーム型ロボットメーカーのGimaticを買収した。ロボット産業が急激に成長するに従い、資本もこの領域に投入されている」。そう北京泰徳ファンドの曲国義会長は述べる。
これはロボット産業にとって追い風だ。中国科学院マイクロエレクトロニクス研究所の葉甜春所長は、ロボット産業には3つのチェーンの融合が欠かせないと指摘する。技術チェーン、産業チェーン、そして金融チェーンである。「ロボットはいま、風が吹いていると誰もが言う。飛翔には2点のポイントが必要だ。核心技術と優れたビジネスモデルが、ロボットが発展するための翼だ。風を吹かせるためには金融資本が欠かせない」。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年10月29日