中国で最も売れているチリソース「老干媽」が、中国で最も貧しい省の一つ(貴州)が全国的に見ても急速な経済成長を遂げるのを助けている。ブルームバーグ社が21日伝えた。
どの家の台所にも欠かせない品となり、どの商店の棚でも見つかるこのチリソースは、中国では約10元で売られている。中国人は海外に行く時もしばしばこれを持って出かける。国外の多くの商店や通販サイトのアマゾン(約9ドル)でも販売している。
このソースの創始者である陶華碧氏には今や、数え切れないほどのファンが付いている。今年69歳の彼女は貴州省の出身。中国南西部の山がちで貧しい省だったが、今では、中国経済の減速の中でひときわ輝く注目の省となっている。
今年1-9月期の貴州省のGDP成長率は10.5%に達し、中国で第2位となり、6.7%の全国平均を大きく上回った。2010年以降、貴州の成長率は一貫して全国をリードしている。陶華碧の企業は、同地の経済成長の推進に大きく貢献している。
3500万の人口を抱える貴州は比較的貧しく、一人あたりの收入は全国平均の約半分にすぎない。貴州経済を後押ししているのはチリソースだけではない。同省は、ハイテクとビッグデータに照準を合わせ、すでに多くの企業の大量の投資を引きつけている。これには米チップ製造メーカーのクアルコム、iPhone生産請負のフォックスコン、さらには中国の電気通信大手の中国移動(チャイナモバイル)と中国聯通(チャイナ・ユニコム)が含まれる。貴州はかつてこんな風に形容されていた。「天無三日晴,地無三尺平,人無三分銀」(天は三日と晴れることなく、地は三尺と平らなところはなく、人は三分の銀も持っていない)。こんな言い方はもはや過去のものとなった。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年11月26日